マルファン ネットワーク ジャパン
IFMSO会議 Q&A

MNJ会員からの疑問に答える Q & A 特集

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Q. アメリカではどうやって病院・医師と連携をとっているのですか?
 A.NMFの成り立ちが、Johns Hopkins大学との連携を強くとってうまれた経緯もあり、現在でも協力関係は強いと感じました(古藤)

Q. マルファンに詳しい医師がどこにいるのかどうやって見つけてどうやって協力を求めているのか?
 A.マルファン専門医を一人見つけたら、その人のネットワークで詳しい医師を紹介してもらう。(NMFスタッフ)
 A.Teaching Hospital (教育病院)に詳しい人がいる場合が多いので、そちらから当たっていく。(NMFスタッフ)
 A.医師は転勤するので、病院名ではなく、医師名で把握し、コンタクトを取り続けている。(NMFスタッフ)
 A.新たな医師をみつけたら、アドバイザーの医師に、推薦できる先生かどうか確認している。(NMFスタッフ)
 A.各地域でマルファンの診断検査ができる医師を複数把握するように努めている。(ベルギー会長)

Q. アメリカでのMarfan患者に対する自己弁温存術の実施状況は?
 A.Nそれぞれの手術に対しての利点、不利益点を良く理解した上で選択することが必要。それぞれの患者の状態によっても違ってくる。
(2日目に「弁を残すべきか残さざるべきか」という講演がVincwnt L.Gott,MD によって行われています。最新の研究結果を報告した論文は以下に掲載。)
Aortic Root Replacement in 271 Marfan Patients:A 24-Year Experience
Vincent L.Gott The Society of Thoratic Surgeons 2002;73:438-43


Q. Marfanの患者に起きる心理的な問題。また,心理面からMarfan患者に対してどのような支援が出来るのでしょうか?
 A. マルファン症候群個人の感じる疲れや、関節の痛み、鬱の症状に対して、注意深く診ていかなければならない。これらの症状は心理的な面に影響を及ぼすが、同時に医学的に解決できる問題だとも考えられ、上手く対処することで、鬱状態も改善できると考えている。(2日目にBarbala Bowles Biesecker,M.S. 遺伝カウンセラーによる講演「マルファンと共に生きるための調査結果」があり、これらのことについて詳しく触れられました。174人にアンケートを取った結果です。)アンケートの詳細は以下。
Living with Marfan Syndrome :Perceptions of the Condition.Clin Genet,60:273-282,2001.
Living with Marfan Syndrome :Medication adherence and physical activity modification.Clin Genet,60:283-292,2001.
Living with Marfan Syndrome 。:Life and Reproductive Planning..Clin Genet,August,2002.

Q. アメリカでのMarfan患者に対する自己弁温存術の実施状況は?
 A.Nそれぞれの手術に対しての利点、不利益点を良く理解した上で選択することが必要。それぞれの患者の状態によっても違ってくる。
(2日目に「弁を残すべきか残さざるべきか」という講演がVincwnt L.Gott,MD によって行われています。最新の研究結果を報告した論文は以下に掲載。)
Aortic Root Replacement in 271 Marfan Patients:A 24-Year Experience
Vincent L.Gott The Society of Thoratic Surgeons 2002;73:438-43


Q. 診察室の中での先生とのやりとり、会話についてどういった質問をされているのでしょうか?
 A. 今回ワークショップで、医師と患者のやりとりがありました。完全に対等な関係で会話がすすみましたが、診察室の中でも、同じ雰囲気で進みます。また、医師も必要な時以外、白衣は着用していません。(IFMSO会議に参加された岡本左和子さん回答/ 岡本左和子さん 1995年より4年半、ジョンズ・ホプキンス病院国際部にて日本人ペイシェント・ コーティネーターとして勤務。年間380件ほどの症例を担当し、患者さんと医師、病院、日本の調査団や弁公開のコーティネートと通訳・翻訳者として働く/2000年には アジア地域のマネージャーも担当・現在は、医療関係の翻訳・ 通訳を中心に、フリー ランスで、日米間のコミュニケーション・コーディネーターをしている。)

Q. アメリカの診断基準は、白人を基準としているのか?日本人にあてはまるか?(両手を広げた長さと身長の比など)日本独自の基準は必要か?
 A. 特にある人種にターゲットをしぼったものではないが、もし日本人やアジア人に特有の診断基準が必要であれば、是非学会で発表してほしい。(NMFスタッフ Josephine Grima ph.D)

Q. 他の国でも、マルファン療育手帳を発行しているか?
 A. アメリカの場合、カルテや検査結果のコピーは、非常に気軽に請求できます。またカルテも、どんな医師が次に読んでも理解できるように書いてあります。そのため、これらのカルテや検査結果をコピーして、各患者がストックしておけば、今までの病歴が分かります。特に患者側で記録するノートなどは見たことがありません。(岡本さん)

Q. 情報提供の範囲について、どのような基本的考え方をもっていますか?
 A. 自分がマルファンとわかり、正しい情報を手に入れたそのときから、 他のマルファンの人たちの命を救う責任がその人には生まれるのです。正確な情報をコンスタントに発信しつづけていけば、現在情報発信に懐疑的な人の意見が代わる時が必ず来ます。NMFは創設から18年ですが、最初のうちは、情報を一般に公開していくことに対する反対意見もありましたし、今も一部であります。しかし、もっとも重要なことは、正確な情報を発信し、一人でも多くの方々の命を救うことだと思い、活動をつづけています。正確な情報をコンスタントに発進しつづけていくことで、社会のマルファンに対する偏見もなくなります。(NMF創設者 Priscilla Ciccarielloさん)

 A. もし、マルファンについて世間に知れ渡り、自分がマルファンだと他人に悟られることを心配している人がいるのであれば、「私はマルファンではありません。マルファンの診断は容易ではなく、外見上そう見えてもマルファンでない人もいます」と嘘をつく権利は当然あると思います。(NMFスタッフKaren wolkさん)

Q. アメリカには小児検診はありますか?どうやって子どものマルファンを見つけていますか?
 A. アメリカには集団検診はありません。(岡本さん)
NMF発行のパンフレット「小児科医への手引き」によれば、小児科でマルファンの疑いの有る人がいたら、遺伝専門医へかかってもらい、また小児科へ戻りケアしていく、という流れが推奨されています。

Q. アメリカでの、マルファンの人たちへ対しての社会保障制度について教えて下さい。
 A. アメリカでは、ほんの一部の難病にたいして、医療費が無料になる制度はありますが、マルファンはその中には含まれないし、今後も含まれる予定はありません。NMF事務局にかかってくる電話の15%が「マルファンの検診をうけたいが、保険に入っていないし仕事もない」というものです。その場合は「各病院が財団を設立していて、そちらで検診することが出来るかもしれないので問い合わせてみて下さい」と答えています。(NMFスタッフKaren wolkさん)

 A. アメリカは、日本のように国民が全員保険に入れるわけではなく、個人個人で大きな格差がありました。保険に入っていないため、検査や手術が受けられない人もいました。5年まえに、マルファンアーティストフェスティバルで会った20代女性に今回再会しました。彼女は「5年前は職業もなく、保険も入っていなかったから、毎年この会議で無料で行われる検査を受けるだけだった。突然解離したら命取りだったわよ。でも今は高校の教師になって、保険にも入れたから、手術も受けられる。だから、すっごい安心しているの」と話していました。(古藤)

Q. 個人で出来る予防法・・・例えば血管を強くする食品だとか目に良いものとか意識して摂っている食べ物・健康食品などあれば伺って欲しいと思います。側湾体操とか、腰痛体操の方法なども。
 A. ジョンズホプキンズ大学の循環器内科医師2人に、会議参加者20人ほどが質問するワークショップがありました。(CArdiac concerns) そのなかで「家の子どもにビタミンBを飲ませたら肌もつやつやして、すごく調子が良いけど、飲ませ続けていいか?」という質問が出ました。医師は「研究でビタミンBが良いと証明されたものはない。でも飲ませて調子が良いんだったら、飲ませ続けていけば良いのでは?でも摂り過ぎに注意して」と答えました。(古藤)

 A. ヨガ、太極拳や針灸に関心をもっている人も多くいらっしゃったようです。(のびたの母)

Q. マルファンの適正についても伺って欲しいです。どのような仕事に就いているのか、妊娠出産はどこまで大丈夫と捕らえているのか。
 A. 妊娠出産についてのワークショップに参加できなかったので、これについては分かりませんでした。仕事は学校の先生、医学生、ソーシャルワーカー、研究者などしている方々にお会いしました。(古藤)

Q. インターネットにつないでいる人とそうでない人の情報格差はどう埋めていますか?
 A. インターネットのホームページに掲載された情報を、郵便で各会員さんに送ると、どうしても4週間くらいの時間差ができてしまいます。会合の御知らせなど、速達を使っても1週間はかならずかかってしまうので、1週間以上の余裕をもって企画するようにしています。(NMFスタッフ)

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