危険な症状
マルファン症候群の最も重大な問題は循環器系にあります。僧帽弁の2つの片が心臓が収縮した時に後方へなびく、いわゆる“僧帽弁閉鎖不全症”。この症状によって心不全や、不規則な心臓の鼓動を起こすことがあります。また、マルファン症候群患者の大動脈(心臓から血液を運ぶ本動脈)は一般に幅広でもろくなっています。このため大動脈の拡張が進行すると大動脈弁の漏れや、大動脈壁の裂け目(解離)を発生させる結果になることがあり、最悪、破裂に至ることもあります。
予防措置
大動脈が広がるとベータブロッカーのような降圧剤が処方され、大動脈にかかる圧や振動を減らすために心拍(拍動)を調整することになるでしょう。ベータブロッカーは大動脈の拡張を遅らせることが示されており、全ての患者が服用を考慮すべきです。
外科手術
大動脈の直径が5cm以上にまで広がったり裂けたりした場合には手術をすることになるでしょう。ただ、5cm以下でも拡張するスピードが速い場合や瘤の形が歪な場合などは手術の検討をする場合があります。
生活スタイルの改善
激しい運動や身体が接触する運動を避けるなどして、強い血圧や衝撃が心臓や大動脈にかからないようにして、危険な症状を回避することが必要です。ただ適度な運動(身体活動の手引き参照)は多くの人と同じように良いことでしょう。また、ストレスを減らすことも大切な事と言えるでしょう。
定期検診
一定期間ごとの超音波エコー検査、CTまたはMRIは、心臓と大動脈の大きさと機能の変化を観察するために非常に重要です。必ず受けるようにして下さい。