主な症状
主な眼症状は水晶体偏位、高度近視、緑内障、網膜剥離、白内障などで、その他の眼の異常には網脈絡膜萎縮、小眼球や網膜中心動脈閉塞症の報告があります。視力が0.1未満となった症例では網膜剥離が最も多く、次いで水晶体偏位の進行と緑内障の発生です。
予防措置
先天的に水晶体亜脱臼(水晶体偏位)がある場合は、そのものを治療することは現在の医療では不可能です。大切なことは矯正視力を出すこと。弱視を予防することです。
治療
眼症状がなければ特別な治療はせずに経過を観察します。著しい視力の低下 や偏位のために瞳孔が閉鎖されて眼圧が上昇したりする場合、あるいは偏位が進
行して硝子体あるいは前房中に脱臼した場合には手術的に水晶体を摘出します。
乳幼児で水晶体偏位が強いために(30%以上の偏位)視力が矯正されない場合は水晶体摘出後に眼鏡を装用して視力の向上をめざします。小児への眼内レンズ挿入に関しては未だ結論が出ておりません。多くは水晶体摘出せずに積極的に眼鏡をかけることで視力は向上しています。眼鏡での矯正が不充分な場合はコンタクトレンズによる最大矯正視力を目指すこともあります。
人工眼内レンズの移植」「水晶体摘出」「手術はしない」など各症例 毎に慎重な検査のうえに治療方法を選択することになります。
※ 先天的に偏位している場合は幼児期に最大矯正視力を出すことが重要です。幼児期の最大視力(矯正含む)が一生の視力となるからです。
生活スタイルの改善
眼に症状がない方でも大抵の方は高度近視であり乱視である方が多いのが事実です。眼に良いとされる食品を取ることは視力にとっても眼にとっても良いことなのでお薦めします。ブルーベリー・ブロッコリー等。
検診
成人例では40代以上になると水晶体偏位例が減少します。しかし40代未満ではその合併率が高いので検診が必要と思います。特に近視の強い人は3ケ月毎に
は受診されるのが良いと考えます。
眼症状には視力の低下、飛蚊症、視野欠損な どがあります。これはマルファン症候群に限ったことではなく、一般的な眼の老化現象なので定期検診はマルファン症候群でなくとも受けるべきです。