【問題】 |
問題1 MNJ患者会の役割について正しいのはどれか。
- マルファン症候群に関する正確でタイムリーな情報を収集し、提供する。
- マルファン症候群を持つ人たちや家族・関係者が、お互いに経験や知識を共有できるコミュニティをつくる。
- 最新の医療を行う、信頼できる医師や病院を特定し、会員に受診を勧奨する。
- 学会の場やさまざまな機会を通して、社会に向けて、正確な情報に基づいたマルフアン症候群に対する理解を広める。
- 症状や悩みはそれぞれ異なるため、共感が難しい小児期においては、同じ疾患をもつ子供と接する機会はもたせないようにする。
- 1.3.4
- 1.2.4
- 1.2.3.4
- 2.3.4
- 1.4.5
問題2 マルフアン症候群の原因と診断について、正しいのはどれか。
- マルファン症候群とは、結合組織に症状の現れる、常染色体優性遺伝による遺伝性疾患であり、罹患頻度は5万人から10万人に1人とされている。
- マルファンの症状は、同一家系内でも、臨床症状に多様性が見られ、発症の時期や程度も異なる。
- マルファン症候群が起こる原因は、2003年にTGF-βシグナルの亢進が関与していることが解明されるまで、第15番常染色体長腕にあるFBN1の変異のみであると見られてきた。
- 現在、TGFBR1あるいはTGFBR2遺伝子に変異が見られるのは、マルファン症候群だけである。
- マルファン症候群は、一般的に遺伝子検査によるより、臨床的に診断されることが多く、人種、年齢を問わずに当てはめることのできる国際的な基準としてゲントの診断基準が最適であるとされている。
- 1.2.4
- 1.3.5
- 1.2.3.5
- 2.3
- 2.3.5
問題3 マルファン症候群の症状と治療について、誤っているのはどれか。
- 重篤な症状を起こしうる大動脈基部の拡張にはもっとも注意すべきで、月1回毎のCT検査がのぞましい。
- 大動脈拡張を抑えるとのエビデンスが得られたロサルタン(ARB)を処方することは必須である。
- 眼の異常としては、水晶体の偏位、水晶体性乱視と近視、網膜剥離、緑内障などがある。
- 乱杭歯、叢生などの不正咬合が多く認められるが、マルファン症候群の矯正治療は2001年4月から保険適用となった。
- 自然気胸の合併率は多く、50%を超える。
- 1.2.4.5
- 1.4.5
- 1.3.5
- 2.5
- 3.5
問題4 マルファン症候群患者への生活指導について、正しいのはどれか。
- 小児期に確定診断された場合は、基礎体力づくりより症状の安定を最優先し、教室移動などの運動や吹奏楽器の演奏を禁止すべきだ。
- 筋力トレーニング、有酸素運動、伸展運動について、症状に応じていずれも適度に行うことを指導すべきだ。
- 女性である場合には、大動脈への負担が大きいため、現在の症状に関わらず、妊娠や出産をあきらめさせるカウンセリングが重要だ。
- 親からの遺伝である場合には、受容や理解がすでになされている場合が多く、心理的サポートは特に考えなくてよい。
- 靴や衣服のサイズが市販のものでは合わない場合が多く、販売店の情報について、患者会への問い合わせを勧めてもよい。
- すべて
- 2.4
- 1.2.4
- 2・3・4
- 2・5
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【解答と解説】 |
問題1 正解B
- ○
- ○
- × MNJでは、特定の医師や病院を勧めることはしていない。
- ○
- × 小児の場合であっても、同年代の同じ疾患をもつ子供と接することによって、わかちあい、仲間意識がもてると期待できる。
問題2 正解D
- × 5千人から1万人に1人とされる。欧米のデーターでは約75%は両親が罹患、25%は新生突然変異(両親がマルファンではない)である。日本では正確な統計上のデーターはない。
- ○
- ○
- × マルファン症候群以外に、ロイス・ディエツ症候群、家族性胸部大動脈・解離症がある。これらの共通する点は動脈(血管)の異常が起きやすいことである。ロイス・ディエツ症候群の患者はまだ少ないが、マルファン症候群よりも、年齢が若くして解離や破裂が生じやすいと言われている。マルファン症候群と異なる血管の部位(腎動脈など)でも解離や破裂が生じる可能性があるので、もしマルファン症候群と診断されていてもTGFBR1またはTGFBR2に変異があった場合には、より注意して経過観察が必要だと言われている。
- × 体格の違うアジア人と欧米人にそのまま診断基準が当てはまるかの議論がある。また、成長とともに症状が出現してくる子どもに関しても注意が必要である。
問題3 正解A
- × CT検査は通常、年1回かそれ以上の間隔で行われることが多い。
- × ロサルタンが血管拡張を抑える効果があるとのエビデンスはまだ得られていない。
- ○
- × 2008年4月から保険適用となった。
- × 約5パーセントか、最近の論文に寄れば7パーセントと言う数字もある。いずれも、50パーセントとは程遠い。
問題4 正解E
- × 運動への参加を全て禁止にする必要はない。それぞれの患者がもつ循環器的問題、整形外科的問題、眼科的問題に応じて、強度を選んで参加することができる。
- ○
- × 大動脈のサイズによって、低いリスクで出産できる場合もある。
- × 親からの遺伝かどうかに関わらず、受容は容易ではない。
- ○
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