マルファン ネットワーク ジャパン
高齢のマルファン患者さんへのアドバイス

・マルファン症の女性の方々へ

 ホルモンの置換療法(hormone replacement therapy: HRT)が中年の女性たちに多くみられる病気の万能薬として大変流行しています。この置換法が大動脈壁(aortic wall)に有害な作用を及ぼす確かな証拠はありません。あたかも経口避妊薬ピルが若ものたちの大動脈壁に有害である証拠がないように―。その証拠が見つかるまでは、女性特有の症状に効くのかどうかを見極めるために、HRTを試してみる価値はあるでしょう。女性が若い時に数度の骨折を経験するようなことがない限り、この時点で特に骨粗鬆症(brittle bones)に対する処置を施す必要はないと思われます。マルファン症の中年女性たちの協力を得て聖ジョージ病院(St.George’s Hospital)で行なった最近の調査によれば、女性人口一般に較べてマルファン患者さんに骨粗鬆症が多いという結果は出ていません。従って、晩年に骨粗鬆症を防ぐためのHRTの必要性は増大していません。

 婦人科の問題では、子宮脱(prolapse of the womb)または月経過多症(menorrhagia:重い生理)がひとつの問題です。医療や外科治療のために産婦人科医に紹介してもらう価値は間違いなくあります。
マルファン症候群について高齢のマルファン患者さんへのアドバイス