マルファン ネットワーク ジャパン
高齢のマルファン患者さんへのアドバイス

・退職について

 私は大動脈基部の直径が少しずつ拡大し、おそらく大変疲れ易い(easy fatiguability)患者さんたちから、会社から持ちかけられている早期退職をうけるべきかどうかという相談を受けてきました。そのことについて私は大変慎重です。それは心ひかれることかもしれませんが、現今では次の仕事はもっと過重となるからです。早めの退職による初期の楽しみは徐々に消え失せ、不活発な生活が続くとその魅力が感じられなくなります。しかしながら、早い段階に、不健康による早期退職が可能であるか確認するために年金制度(pension schemes)をしっかりと調べるべきです。もし患者さんが早期の退職を必要とするなら、障害者年金(disability pension)を要求すべきで、あなたの正確な健康問題について説明した主治医からの特別な手紙は最大限の手当を政府にさせるのに役立つでしょう。ひとたび退職すると休暇(Holidays)がひとつの問題となるでしょう。あなたが海外で緊急の健康管理を必要とする場合があるからです。同僚との相談や世界中の遺伝学者(geneticists)、心臓医(cardiologists)、眼科医(ophthalmologists)のリストなどによってヨーロッパの多くの国や世界中にいる専門家の名前をお教えすることが出来ます。特に心臓疾患のある人は大きな病院の近くに住むような配慮が必要で、例えばウインド・バギー(wind buggy)でサハラ砂漠を横断するようなことは計画すべきではありません。若い時は海外旅行しても、年を取ったら家の近くで休暇を過ごすのが賢明です。

 スポーツは可能なかぎり続けられるべきで、個々人の能力に応じて活動を調整すべきです。散歩などと同様、軽い水泳やゴルフは一般的な選択でしょう。

 手はじめに、もし退職者に若干の余裕があれば、モデル患者として若い医師のMRCP(Member of the Royal College Physicians?) 診察に協力することによってマルファン症候群への認識向上の手助けをしていただければ、若い医師が決してマルファン症候群のことを忘れないようにすることが出来ます。

 マルファン協会への寄付金集めも行なわれるべきです。
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