ご家族をなくされた会員の方々から寄せられた想いです。
＜ グリーフケアへの想い ＞
私は平成９年に母をマルファンが原因と思われる急性動脈乖離で亡くしました。当事はその死因に疑問を持ちつつも、自身が2年前にマルファンと判明するまで深く考えた事はありませんでした。
突然死ということもあり、私はその死がなかなか受け入れられずその後何年間にも渡って悲しみに暮れる日々を送りました。
救急車で搬送された県下随一とされる救命センターでもマルファンが原因と見抜く事が出来ず、搬送後何時間も意識、呼吸があったにもかかわらず緊急手術を受ける事も出来ず亡くなってしまいました。
私自身は手術を受けて今日まで生き永らえているのに「なぜ母は助からなかったのだろう」とやりきれない気持ちになります。
会員の中で家族をマルファンで亡くされたく方は多いと思います。
やるせない深い悲しみの中で打ちひしがれた気持ちでいる人も多いと思います。
医師、そして社会へこの病気の周知を強く願っています。
（なおとさん 記）
＜ 私にできること ＞
今日9月20日は主人の命日です。今年で三年になります。
今回の機関紙には、グリーフケアの項目を載せるということで、そういえばもうすぐ命日だし、これは何か書いてみたらっていうことかな？と思い、寄稿させて頂くことにしました。
MNJは患者会なので、亡くなった人のことを書くのはどうなのかなと思うし、また私自身、皆さんが手術などで頑張っていらっしゃる様子を掲示板で見ると、主人のことを思い出してつらくなることがあります。
でも、主人のことも伝えたいし、マルファンである子供の為に、何かしなくてはという気持ちがあるのです。
本当は、主人の病気のことは全部忘れたいです。 亡くなってすぐに、診察券とか、手術の諸々の書類とかは、見るのもいやで捨ててしまいました。でも少しずつ落ち着いてくると、霊感というのかよくわからないけれど、ときどき主人の気配みたいなものを感じるようになりました。肩をポンとたたかれた様な感じとか、そばに立っているみたいな感じとか…。いつも見ていてくれるんだなと思うと、とても穏やかな気持ちになれます。それに、思い出す主人の顔はどれも笑顔で、最後の日もいつになく上機嫌でした。いつも散らかしっぱなしの人なのに、身の回りをずいぶん整理してあって、急な出来事のはずだったのに、天国へ行く準備をしていたかのようでした。
そんなことを幾度も思い返していると、私に何かしなければいけない事があるんじゃないか？と考えるようになりました。その中の一つが、この病気と向き合って、主人が残してくれた子供たちを守ること、同じ病気の人達の手助けをすることだと思うようになったのです。
まだ何にも実行できていないけれど、同じ悲しみを繰り返さない為に、これからMNJのお手伝いをしていきたいと思っています。
私と同じように大切な人を亡くされた方が、この会にも少なからずいらっしゃいますよね。みなさんはその大切な人の気配を感じる事がありますか？気をつけていれば、大切なひとからのサインにきっと気付くことができますよ！
（会員Aさん 記）
＜ あやへ ふうせんがね… ＞
今年もあやの大好きなふうせんができる季節がやってきたね。
ふうせんの真似をしてほっぺをぷーっと膨らませておどけた顔、今も目に浮かぶよ。
緑色のふうせんが茶色くなるのを、まだかな？まだかな？と首を長くして待っていたね。ちょっと茶色くなってくると、
「おかあしゃん、もういい？」
と期待でいっぱいの顔で聞いてきた。
細くてすっとした指で器用にふうせんから種を出して
「わぁ〜 ハート！ハートォ！！」
と、とてもうれしそうだった。
時々、手からこぼれてお庭に転がっていた種もあったね。そんな種があやが逝ってしまって悲しみでいっぱいだったお母さんに教えてくれたんだよね。
“あやはここにいるよ”
って。
マルファンのたくさんのお友だちが、種をもらってくれて、あやのふうせんかずらを育ててくれてる。お母さんは、あやにお友達がたくさんできていくようでとってもうれしいな。大事に大事に育ててくれていて、メールで様子を知らせてくれたり、写真を送ってくれたり、ブログで紹介してくれたりもしてる。それを読んだり見たりしていると、あやのうれしそうに笑っている顔が浮かんできて、お母さんも思わず笑顔になるんだよ。
きっとあやは見てるよね。あちらこちらにおじゃまして。
ほんとにほんとにうれしいね。
お母さんと一緒にいっぱいいっぱい『ありがとう！！』て言おうね。
（pup 記）
|
