マルファン ネットワーク ジャパン
第111回小児科学会

日時:2008年4月25〜27日
場所: 東京国際フォーラム

◆展示ブース参加報告◆
<1日目>
2008年4月25日から27日まで、東京国際フォーラムで三日間開かれました。MNJは難病のこども支援全国ネットワーク(難病ネット)に所属する団体に一つとして、ここ数年毎年、この学会に参加しています。

昨年は八重桜が満開の京都の国際会議場でしたが、今年は、有楽町と東京駅の間に位置するガラス張りもモダンな国際フォーラムが会場です。
地下二階の展示会場は、企業によるお茶や珈琲のサービスもあり、休憩コーナーもゆったりとしています。

その一角にある難病ネットの各団体のデスクには、多くの小児科医やプレスなど関係者が立ち寄ってくれます。一日目の朝は、先ず、寄付を預かってきたのですが、箱はありませんか?と尋ねられてあわててしまいました。今回は、ガイドブックを差し上げた方にその場でいただく寄付の箱の設置を忘れていました。群馬県立小児医療センターの研究室の若い女の先生が、教授の依頼で預かってきましたと寄付を届けてくださいました。難病ネットに所属する患者団体のデスクを一つずつまわって、丁寧に挨拶をしていました。小児科医には障害児を主に担当している先生も多く、親の会の顧問を引き受けたり、相談に乗ったり、患者会活動に理解と協力をしてくれる先生が多くいらっしゃいます。

マルファン症候群のこどもを担当していますという先生が多く声をかけて下さり、ガイドブックも、喜ばれました。新しい第2版がもうすぐ出来上がりますというと是非欲しいですという申し出もありました。
また、先生からの質問では、診断の仕方、そして、こどもや親に対する心理支援のこと、また、運動制限についても聞かれました。二日目に川目裕先生のマルファンに関する発表があるとプログラムにあって、そのことを逆に私たちが、聞かれた先生にお知らせするという場面もありました。

難病ネットの各団体の方たちとは一年ぶりの人も、また、久しぶりの人もあり、数年前の東京開催での学会時に、ハンサム青年シゲちゃんがひそかにモテモテだったという話しを聞きました。

5名の会員さんが参加しました。一日目は5時過ぎまでいて、店じまいをし、帰宅しました。お疲れ様。

<2日目>
今日も多くの先生と患者会のスタッフが寄ってくれました。ガイドブックの新しいのを希望される先生はタクヤさんが名簿の上にしるしをつけるくらい、たくさんでした。

アドバイザーの先生では、昨日は沼部先生が、そして長崎大学の近藤先生は所属と住所が変わりましたとわざわざ寄ってくださいました。今日は、今泉先生、それに川目先生。川目先生の「小児期Marfan症候群の診断の困難さとその健康管理」というお話を、今日、とおくから参加してくれたスタッフのさいむらさんと聴きに行きました。

先天異常という演題で5つの口演があり、その一つだったのですが、とてもわかりやすく話されました。マルファンの診断は臨床診断によるものが中心であるが、多岐の診療科目にわたって、また、現れる年齢も異なるので、確定をするのが難しい、けれど、可能性が疑われる患者(こども)に対しては、emerging Marfan syndrome (これからマルファンの症状が現れると見られる患者)として、注意深く見守る必要があるというお話しでした。

ゲントの診断基準は参考にするが、こどもにそのまま当てはまらない、アジアの人にはそのまま当てはまらない、など課題が多いとも話されました。心理支援の必要も説かれました。

他の口演のときはなかなか質問の手が挙がらなかったのが、マルファンに関しては、質問や意見が多く出て、マルファンの患者を診ている先生が多く、関心も高いことを思わされました。こどもの場合の来診のきっかけと年齢について、また、運動制限に対して、医師からどのようにアドバイスをしたらいいのか?などの質問も出ました。

川目先生には、来る5月17日のMNJの総会でお話しをいただくことになっています。質問の時間も設けますので、総会参加の機会のある方は、直接先生のお話をお聞きになっていただけるものと思います。また、そうでない方には去年のように機関誌など別な手段でご報告もしたいと思います。

今日の参加は、昨日に引き続き3名の会員さん、そして、今日さらに1名の会員さんが参加。お疲れ様でした。
明日もう一日あります。気軽に入れるので、東京近辺で機会のある方はどうぞ寄ってみてください。口演も自由に聴ける雰囲気です。
(霜崎さん)

<1日目>
参加された皆さま、お疲れ様でした!
今回も、ブースの椅子に座りながらみんなとおしゃべりしたり、他の会の人やお隣のブースの親の会のお母さん達にも色々な話が聞けたりと、楽しかったです。

一日目は(二日目も)午後から参加したので、アドバイザーの近藤先生や沼部先生にお会いできなかったのが残念でした(>.<)
なので、私が行った時にはすでにブースが立派に飾られていて…、朝早くから行ってくれていたシゲちゃん、タクヤさん、有難うございました。
オリーブさんとはバトンタッチでしたが、会えて良かったです。

夕方には仕事が休みだったうちの母も学会の空気を味わいに覗きに来たのですが、展示会場でなぜか思わぬ買い物をし…、何をしにきたんだかって感じでした;

そんなこんなで私は呑気に気楽に参加してきました。
こういった学会に参加できる機会はそうないですし、他の親の会の人たちも一緒に参加する小児科学会はお勧めですっ

<2日目>
二日目も午後からの参加で行ってきました。
到着早々、さいむらさんと沼部先生とドリンクコーナーに座って暫らくおしゃべりしていました。この時点ですでに満足してしまいましたが(^ ^;、二日目もたくさんの先生方が立ち寄ってくださっていました。
「あ〜マルファンの患者会ね〜知ってますよ」って言う先生や、「ガイドブックは持っていますよ」っていう先生も何人かいらっしゃいました。

そして同じく何人かの先生がマービンの絵本を手に取り、「これはこの会で作ったの?すごいですね〜」、「絵がきれいですね〜」とか言ってくれていたので霜崎さんが、「彼が書いたんですよ」ってタクヤさんを紹介すると、「才能ある方がいて素晴らしいですね!」なぁ〜んてことを言ってくれていたりと、その日タクヤさんは嬉しくて眠れなかっただろうなぁと想像してます(笑)が、さすが小児科の先生方らしく、マービンが大人気でした。

今泉先生にも久しぶりにお会いできて嬉しかったです。
今泉先生や沼部先生は他の会のお母さん方とも親しくお話されていましたが、お母さん達は元気パワーいっぱいでした(^ ^)
チョコレートやうなぎパイや飴やらとお裾分けもたくさん頂きました;

夕方からは、川目先生が来てくれて人類遺伝学会のセミナーでの講演のことの相談というか打ち合わせを少ししていました。
その間にもMNJのブースを見ると、次から次へと先生が立ち寄ってくれていました。有難いことです。

終了後は、腹ペコの人がいたので、みんなで国際フォーラム内にあるお店で夕飯を食べて帰宅しました。

またまたちょいとズレた報告になっていますが…、小児科学会はこんな感じの雰囲気なので、みなさんも気楽に参加してみてください!
来年は奈良みたいです〜。
(吉川佳代子さん)

参加された方、お疲れ様でした。
去年の京都にも参加しましたが、この小児科学会では、この難病のこどもを守るネットワークの関係で他の患者会のブースもたくさん並びますので、マルファンでなくてもさまざまな病気があり、それぞれに大変そうだなぁ、と考えこんでしまいます。でも、楽しく交流が持てるチャンスの場でもあります。

川目先生の口演での質疑応答で、どんな診療科からまわされてくることが多いか?の問いに、骨格の特徴からです、と言い切っておられたことが印象的でした。症状の発現は年齢依存(というのですね)で、小児の頃は症状が出にくい、というお話も、やっぱりね・・・と改めて聞いていました。

時間も都合のよい時だけでよいので、また来年の機会がありましたら、参加してみてください。
(さいむらりえさん)

<3日目>
国際フォーラムに行ってきました。遅くなりましたが3日目の様子を報告します。MNJのブースは4人でした。

展示場は広くて、開放感がありました。併設のポスター会場や休憩スペースもあるので、先生の姿も多かったです。そうはいっても、1日のほとんどは机の前に座っているので、みんなでおしゃべりしていました(周りへの愛想も忘れずに)。
お昼は交替で、こばやしさんと一緒におそばを食べに。ふだんはなかなかできない話もゆっくりできて、とても楽しい時間でした。

立ち寄ってくださった先生は、お名前をいただいた方が15名でした。そのうち個人の小児クリニックの先生が5名でした。たくさんお話できると良いのですが、なかなかそう上手くもいきません。パンフレットを渡すのがやっとということも…。でも、打ち解けてくださった先生は、いつマルファンと知ったのですか、子どもの患者さんがいたら、本人にいつごろ話したら良いですか? など質問してくださって嬉しかったです。患者の本音は、先生からも単刀直入には聞きにくいことかもしれませんが、こちらから体験などをお話すると、興味を持ってくださるように感じました。

慶応の小崎健次郎先生、成育医療センターの小崎里華先生(崎の漢字がちょっと違っています、ご夫妻です)もいらしてくださり、遺伝子診断の話を伺いました。
さいむらさんも川目先生の口演のところで書いていらしたように、小児の場合はあまり症状が出ないので、診断基準からでは確定診断がしにくく、積極的な治療ができにくい、ということです。たとえば、いま研究中の薬に効果があるとなったりしたような場合には、遺伝子診断を受けることによって、お子さんの治療を早期に始めることができるようになるでしょう、ということでした。
しかし、費用のことで、最近厚生労働省が決めた基準のために、マルファンの診断は、病院や研究機関に相当額の負担がかかることになるので、どこも進んでやろうとはしなくなるかも…、というお話でした。患者からの希望が多ければ、厚労省も考え直すと思うともおっしゃっていました。声を届けるのはたいへんですが、矯正歯科治療の際も診断が必要でしょうし、今後、みんなで考えていかれたら良いかもしれませんね。
遺伝子診断を受けるときは、それぞれの意志を尊重することも大事ですね、ともお話しました。子どもの場合はまた慎重に考えたいことです。

それから、地方からの先生がいらしたときには、患者会でも地方の方は県で数人ずつしかいないので、なかなか会えないし、孤独を感じている人もいるかもしれません、とお話しました。直接には聞いたことがないので勝手な考えかもしれませんが、東京などとの診療の格差もあるでしょうから、どこにいても安心して暮らせるような体制ができると良いなぁと思います。霜崎さんの報告では、最近はマルファンの患者を診ている病院が増えているようですから、これからも理想的な環境になっていくことを期待したいです。

夕方までには、机に置いてあった、ガイドブックや絵本や機関誌もほとんどなくなりました。たくさん準備してくださったタクヤさんが、「帰りは軽くなった」と喜んでいられました。3日間通しての参加、お疲れさまでした。

午後からは、市民公開講座があって、アナウンサーの木佐彩子さんが司会で、子どもの栄養のことをテーマとしたお話がありました。平野レミさんが登場するということもあって、さいむらさんを誘って聞きにいってみました。テレビでお馴染みの元気なおしゃべりで、簡単にできるアイデアで食卓を楽しくすること、特にお母さんがんばって、と、まあ…お母さんでなくても良いのでしょうが、明るく暮らしていくのは良いことだ、と感じるお話でした。

話は変わりますが、2日目の土曜日には、参宮橋であった難病ネット主催の、「こどもの難病シンポジウム」にも霜崎さんと少しだけ行ってみて、大江健三郎さんのお話が聴けました。こちらも、「回復する」という言葉をあげて、子どもの力を信じて見守る家族のお話で、とても良かったです。

どなたでも参加できますので、また案内がありましたら、いろんな方に来ていただきたいと思いました。
(オリーブさん)

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