胸部外科学会において、会場内に患者会としてはMNJだけブースを設けさせていただき、多くの胸部外科の医師にMNJとその活動を知っていただけるよう、ガイドブックや絵本、ポスター展示などをさせていただきました。
日程:2006年10月1日〜4日
場所:東京、有楽町国際フォーラム
<参加者の報告>
○ 第1日目
昨日の日曜日、国際フォーラムの会場作りに行って来ました。白い壁紙で囲まれた立派なブースを会場入り口に一番近いところにいただき、出来立てほやほやのラミネート加工した、MNJのバナーを目立つところにまず貼りました。これからいろいろな機会に活躍してくれるであろう、そして、全国行脚するであろうMNJの看板です。前日に滑り込みセーフで会場に届けられたガイドブックの増刷版も、絵本もしおりもそろい、壁にポスターなど貼って仕上げ完了。学会開会を待つばかりになりました。
そして、今日。丸の内に勤めるOLの如く、早朝通勤電車に揺られ、8時に有楽町に到着。展示会場は参加企業のスーツ姿の人々でもうにぎわっていました。
MNJのブースには大勢の方が立ち寄ってくださいました。医療機器関係の方の中にもマルファンのことを知っています、もっと勉強したいですという方がいて、うれしかった。特にロート胸の手術で使われているNUSS法と言う手術で使用するチタン製の平たい板を作っているソルブという会社の方は、後でまたブースに寄って、わざわざ、麻酔医の雑誌に載っているマルファンのこどものロート胸の手術の症例の記事をコピーして、手術のビデオを収めたCD−Rと一緒にくれました。マルファンの場合,手術時には麻酔の他注意点がいくつかあると言う記事です。これはMNJのライブラリーとして、活用したいです。
患者さんを何人か持っているので、会を紹介したいと言う先生、何かお手伝いをしたいと思っていたからとアドバイザーを申し出てくれた先生、患者さんに上げちゃったからガイドブックが欲しいという先生など、ブースには三々五々先生がが立ち寄ってくれました。台湾のお医者さんは、日本には患者会があるだろうと思っていた、台湾でもこれから作って行きたい。国際的なネットワークもありますか?と聞いてゆかれました。
青見先生がマルファンについてポスター発表をされると言うので、出かけ、そこでアドバイザーの須田先生にもお目にかかることができました
○ 第2日目
プログラムでは三日目ですが、実質二日目です。
昨日の元気はなく、朝は一時間遅れのスタート。青見先生をはじめとして、女子医大の先生そして東大マルファン外来の先生もブースを訪ねてくださいました。午後、ミラー先生というNMFのアドバイザーをしているスタンフォードの先生による基部の手術についての講演がありました。自己弁温存の成績、デイビッド法の成績が良く、特にデイビッドXの成績はマルファンの患者に対してもすばらしいとのことでした。ヤクー法で実績を挙げている日本の先生もいるがとの質問に、元気な若い人はそうかも知れないが、少なくともマルファンの患者にはふさわしくないと言うか再手術の可能性が否定できないとのお返事でした。同時通訳のヘッドホンがあることを知らず、半分わからないまま会場を出たところで、今回の会長の高本先生にばったりお会いしました。今回のブースのことをお礼申し上げたら、今、行きますよとおっしゃり、後で寄ってくださいました。にぎわっていて良かったですねといわれ、ちょうどブースに人が来てくれているところで良かったと思いました。
どうやって、医者は患者会に協力したらいいですか?と親切に申し出てくださる先生もいらっしゃいました。
4時半、ちょっと早めに店じまいをして、ロビーで基部置換の手術のビデオを見ながらお茶を一杯飲んで、帰りました。
明日で終わりです。
○ 最終日
今回の参加者は3200名と発表がありました。医者ばかりではないにしても、こんなに心臓外科医が一箇所に集まっては、各病院では困ったのではないでしょうか。
今回、医療機器メーカーの方々とブースを並べて参加したことで、MNJは新しい知り合いができました。
展示会会場でひそかにガイドブックのことが有名になり、「是非いただけますか?もっと若い者に勉強させます」とか「上の者に、一冊もらって読むように言われましたので」とか、次々とうブースにいろいろなメーカーの人がやってきました。昨日、高本先生がわざわざMNJのブースにいらして話をしていたからかもしれません。メーカーの人も、人工血管を扱っていてもその持ち主には会った事もなく、ましてや患者会のことは知らなかったようです。人工血管の見本を持ってきれくれていろいろ説明してくれました。ダクロン製とのことで、これで漏れないのですか?と聞いたら、「漏れます。実は漏れなくてはいけないのです」との返事。最初、コラーゲンが塗ってあって、手術中はシールした状態なのが、術後、だんだん体内の組織に溶けて、変わりに新たに入った人工血管という異物に対して、身体はカバーしようとして、組織が血管についてなじむのだそうです。へー、知らなかったと皆で感心し、他にも継ぎ目はどうするのですかなどいろいろ質問攻めにしました。その方は、ジョンズホプキンス病院のマルファンクリニックのことも知っていて、キャメロン先生とも親しいとのことでした。医者だけでなく、そういうメーカーの人も海外の専門家とコンタクトがあることを初めて知りました。機械弁や生体弁のコレクションを展示しているメーカーや、経食道エコーのノズルもありました。社員も経験するそうです。仕事とはいえ、あの苦しさを味わうのは大変です。
せっかく講演がいろいろ聞けるチャンスなので、今日が最後だと思い、いくつか大動脈基部病変に関する外科的治療についての話を聞きました。術法の変遷などまた、報告します。
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