マルファン ネットワーク ジャパン
心臓・血管についてのQ&A
Q-02-1
「腸骨動脈のほうは30ミリを超えたらどれくらい破裂の危険性があるのか、また下行大動脈の対麻痺の可能性は 現在どれくらいなのでしょうか。また同時に手術は行えるのでしょうか。」
Q-02-2
足がだるいというような自覚症状は動脈瘤と関係あるのしょうか。

A-02-1
◇青見先生・・・元の血管径の2倍以上を危険と考えています。また、半年で5mm以上の拡大があれば手術適応と考えています。総腸骨動脈は、正常で1センチ強ですから3センチでは手術が良いと思います。胸部が大きくなる前に行うのが良いと思います。

◇須田先生・・・我々が、患者さんに動脈瘤の破裂の危険性をご説明するとき、以下の点を判断基準にしています。
1)瘤の大きさ、
2)大きさの変化(前回の検査と比べて大きくなってきているかどうか?) 
3)動脈瘤のある場所と形(いびつな形か、平坦か?)
4)患者さんの年齢、活動性、全身状態

”なんだ、あたりまえじゃないか”、、、と思われるかもしれませんが、専門家も同じ事を考えているのです。
1)〜3)のことを総合的に判断して、4)の要素を考えに加えた上で、手術のタイミングを決定します。

従って、破裂の危険性をお話しすることは、文面だけでは困難ですが、お話しをお聞きする限り、そろそろ手術を考えるべき時期かもしれない、という印象をいだきました。

下行大動脈置換に伴う対麻痺の危険性は、人工血管に置換する動脈の範囲によって大きく異なります。前回、おそらく胸部下行大動脈の横隔膜より上の部分を置換されていることから、今回置換するところは脊髄の栄養血管付近の手術になると予想されます。対麻痺もいろんな要素が関係します。個々の患者さんで微妙に違いますので、危険性について遠慮なくお尋ねになるといいでしょう。要は脊髄の栄養血管がでている付近を置換するか否かで、危険性は随分と違う訳ですから、”どこからどこまで人工血管に換えるのですか?脊髄の栄養血管は、どうするのですか?”というご質問も一緒にされたらどうでしょう?
納得できるご説明がいただけるはずです。

下行大動脈と腸骨動脈の同時手術はもちろん可能です。
しかし、どこからどこまで置換するか、あるいは動脈瘤の程度によって、同時手術か2回か判断しています。
どちらの可能性もあります。これも一律には言えないところです。

Q-02-2
◇青見先生・・・むくみがなければ関係ないと思います。静脈瘤があるとだるいことがあります。歩行時の傷みは血流不足のことがあります。

◇須田先生・・・通常はあまり関係ないように思います。
但し何らかの原因で血流が少なくなるような状態、たとえば動脈瘤の血栓が末梢の動脈に流れる塞栓症や、動脈瘤の前後に狭いところがある、、などといった状況があれば可能性はあります。但し、稀なことですので、まず関連はすくないように思いますが、、、

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