マルファン ネットワーク ジャパン
2. 分科会メモより

2−1 下行動脈瘤(血管の手術)について
出席者:本人6名、家族3名
自己紹介をしながら自分の経験と知りたいことなどを話合いました。
Kさん:お嬢さんがマルファンで手術を待っている状態。医者によれば5pになるまでは手術はできない。安静に暮らしなさいということだが、社会にどういう形で参加できるのか、宙ぶらりんの状態で孤立感を深めていて、情緒不安定でいるので心配です。
Y.Sさん:5年前弁の手術をしたが、その時はマルファンのことを知らされなかった。去年、解離を起こし、マルファンということを内科医から初めて告げられた。弁の手術の時にその可能性がわかっていたら、日常生活の仕方も変わっていただろう。今は解離をしたままの状態で、長生きできないと思ってくださいと目の前で言われた。今度手術をするとしたら今の病院でいいのか別のところを探すべきか迷っている
KSさん:平成7年に3回に分けて血管の手術をして、現在すべての血管が人口です。鎖骨動脈にも肥大が見られるといわれて不安です。3度目の手術で声帯が麻痺し、声が出なくなった。一年くらい様子を見ましょうということで翌年手術をしたが思わしくなく、結局東京で声帯の手術を受けた。声帯に影響が出るかもしれないということは前もって説明を受けなかった。
Tさん:人工弁と基部の手術を一緒に受けて、現在にいたっています。
Oさん:13年前、腹部大動脈の手術を受けた。今年、肺を圧迫するほど拡張が進んで今度は下行を手術をした。人工呼吸器をつけた。ほとんど記憶はないが、家族は手術に先立って医者から書面で充分な説明を受けていたので、信頼して手術に臨んだ。
K.Yさん:娘が小さい頃から側彎でまず入院し、4年生のときに手術。以来小児科にかかっていたがその後弁の手術が必要になり、本人の希望で転院した。別の病院に移りたい旨を思い切って切り出して、医者も快く了解してくれたので救急車で女子医大に移った。なかなか勇気の要ることだった。
Y.Sさん:7年前に解離して、救急で入院したが、内科的治療で行きましょうということで以来経過観察。いずれは手術をしなくてはならないと思っている。マルファンということは、父が解離で亡くなっていて知っていた。手術をした人にたくさん出会って勇気付けられる思いだ。


その後の話し合い:
薬の副作用について:朝起きるのがつらい。利尿作用があるため、トイレに頻繁に通う。軽いめまいがするなど。
病院の対応について:外科では何も説明がなかった。内科でも本人の前で長生きできないからそのつもりでと宣言された。手術の前に危険性についての説明がなかった。家族に対して、書面でも充分に説明がなされなかった。転院に関して、快く引き受けてくれてよかった。セカンドオピニオンを求める勇気が必要だろう。
結論はもちろんありませんが、それぞれの体験を話し、人の話を聞く、ということ自体がためになったと思います。


2−2 腰痛、疲れやすさについて
父、マルファンで腰痛があった。長時間歩くとNG.デスクワークはOKだった。立ち仕事がNG。仕事をするときは市販のコルセットをつけている。ひざに水がたまるのもマルファンが関係するのか?
30代初めにリレーで転んでからトイレにも行けないほどの痛み、4、5の腰椎が飛び出して神経にさわっていた。痛みから腰をかばう姿勢をとるせいで腰が曲がってしまった。今まで3回ほどひどい痛みがあったが、その度に骨盤牽引で治した。筋肉を強くするために下腹に3重のひもを巻いている。
引越しで動いたときに痛みがはしった。医者に腎臓結石ののせいと言われたが、違うと感じた。そのうちにおさまった。
頭に腫瘍ができて、手術したときに3ヶ月寝たきりで腰痛がひどかった。寝たときに痛かった。
座ったり、デスクワークでもNG。立ち仕事を30分しているとつらい。寝るとラク。
この5年で身長167cm→160cmに縮んだ。(側彎で)骨粗鬆症が限界なのも心配だ
整形外科にかかったが腰痛は治らない。プールで歩いている
座るときは常にクッションをしている。するとラク。しびれ、熱い感じがある。
常に痛い。背中から腰、深呼吸するとメリメリとした痛みがある。整体に行くとラク。身体の曲がりがひどい。膠原病と間違われたりした。年をとるとともに痛みがひどくなる。現在は特に治療はしていない。
腹部の手術をしたとき、身長を測ったら2cm縮んでいた。
台風が来ると気圧の関係か?腰痛がひどくなる。坐骨神経症、針治療するとラクになる。マルファンについても知っている先生なので安心。ゴムベルトをつけるとしゃんとする。


2−3 基部手術について
自己紹介をしながら悩みなどを話合いました。10人参加。
M.Kさん:97年下行、02年腹部(横隔膜除く)置換済み。現在基部の手術を検討中(自己弁か人工弁か)弁輪径47mmAR1°。
K.Yさん母:大動脈弁置換、弓部の手術を検討中。
K.Yさん:弁輪80mmで手術。現在follow up中。
Kちゃん:12歳のMFの子ども。小児科で診察を受けていたが胸部の変形が進み、東大心臓外科高本教授の診察を受けている。経過を見ようということだったが、7月に心エコーにて弁輪が38mmから45mmに拡大していることが判明、今年末に手術することをすすめられた。
子どもは野球のエースで、かなり激しく運動をしている。高本先生は手術後運動制限なくやれるとおっしゃっているが、どこまでやれるか?子どもは「やれる」という言葉を信じて手術をするつもりになっているので、「出来ない」ということになると裏切ることになる。



2003年度総会目次に戻る