マルファン ネットワーク ジャパン
MNJの歴史について

谷口佳久
1996年10月頃に、古藤さんによって、始めてマルファンに関する情報のホームページが始まりました。このホームページは、彼女がマルファンと診断されて手術を受けたこと、その時の経験をシェアするために、開始されました。最初の内容は、とても個人的な内容でした。
その後、11月頃に交換ノートが始まりました。ホームページを開始したものの、患者は本当にネットワークづくりを望んでいるのか、彼女の経験だと必要と感じたが、他の人はどう思っているのか、という疑問から交換ノートが始まりました。最初のメンバーは8名くらいでした。
1997年4月11日に、メーリングリストが始まりました。このメーリングリストの趣旨は、「古藤さんのマルファン・ネットワークの趣旨に賛同し、お互いの情報や気持ちをシェアするためのメーリングリスト」ということでした。当初は10人程度で開始され、1ヶ月後くらいたって、ルールが徐々に出来上がってきました。氏名、電子メールアドレス、職業、得意分野、マルファン・ネットワークに対する思いなどを入会時に自己紹介する形式を取りました。
1997年8月23日、始めてのオフ会が開かれました。そのときは大西さんの発案で、関西で行われました。出席者は6人でした。その後、97年11月2日には続けて東京オフ会が行われ、16人が参加されました。この、東京オフ会では、多くの参加者が、「人生観が変わった」という感想を残しました。
97年の年末には、メーリングリストの登録メンバーも20名を越え、それぞれの病気のこと、病院のことなど、アットホームな雰囲気での情報交換が行われるようになりました。2回のオフ会を経て、お互いを支え合う大切なネットワークに成長していったふうに感じました。
1998年となって、新しい動きが次々と始まりました。まず98年2月に、ホームページが第2段となり、古藤さんの個人色が薄まり、患者会といった雰囲気が強くなりました。そして情報の掲載量も増えました。翌3月には、H@T@さんの尽力により、掲示板(初代)が始動しました。この掲示板は、現在の公開掲示板の先駆けです。こうして、マルファン患者のオンライン交流の場としては、メーリングリストと掲示板の二つのチャンネルが存在することになりました。
5月4日には、ニューヨークで行われた Marfan Art Festival へ参加ました。この催しは、マルファン患者によるアート作品の展示や、講演が行われるもので、National Marfan Foundation のファンドレイジング・イベントです。MNJからは、1 人が出展・6人が出席しました。
同じニューヨークということで、5月6日、National Marfan Foundation の事務所に訪問しました。この事務所はニューヨーク郊外のポートワシントンという静かな街にありました。NMFの会員数は14500人、ここ4〜5年は、1年で500人ほどの増加ということでした。またスタッフは当時で7名ということでした。
この、一連のMarfan Art Festival参加, National Marfan Foundation 事務所訪問から、MNJの将来を考える上で非常に大事なヒントを得ました。
NMFのような、マルファン全般にわたる広範囲のサポートができるネットワークへそのためにはどうしたらいいのか。資金、専任のスタッフ、MNJの今後に必要なことについて、意見が出はじめたのがこの頃です。
そうして、いままで古藤さんがやってきたことの分散化として、交換ノートの地域分散化、ホームページ管理の移管、資金集め、地域連絡係の創設が検討され、開始されはじめました。
1998年12月19日には、神戸ルミナリエにて神戸オフ会が開催されました。マルファンネットワークの変革期の、ちょっと息抜きとなる気軽で楽しいミーティングでした。
1999年6月23日、現行のホームページが誕生しました。その中の1コーナーとして、マルファン倶楽部がスタートしました。8月2日には、機関誌第1号を発送し、同時にアンケートを募集しました。この機関誌は、医療関係者を中心に、良いという感想をいただきました。
マルファン倶楽部がスタートしてから、4ヶ月で100名という非常に早いペースで会員が増えました。名古屋、東京、九州、北海道など、各地でオフ会が活発化しました。
また、事務局・医療アドバイザー担当の努力により医療アドバイザーとして協力して下さる先生方が増えました。柴田先生、沼部先生、高本先生、武野先生、増本先生(増本先生はお休み中)の5名の方が医療アドバイザーとして登録してくださっています。
MNJはこのような歴史のもとに発展してきました。今後の発展のために、何が求められているのでしょうか。増加するオンライン会員への対応は、どのようにしていけばいいのでしょうか。マルファン患者が5000人に1人の割合でいるとすると、いったいどのくらいの患者が日本にいるのでしょうか。充実した医療アドバイス体制をつくるには、どうしたらいいのでしょうか。掲載情報の拡充、マルファン患者の権利の保護、プライバシーを守りつつ情報共有するにはどうしたらいいのでしょうか。資金繰りはどうしたらいいのでしょうか。これからはそういったことをみんなで検討して、一つ一つクリアいきましょう。
患者中心のネットワークから、医療関係者をもっと巻き込んだネットワークへ、また国際カンファレンス構想、医療アドバイザーの拡充や推薦病院を作るかどうかも今後議論していきたいと思っています。


会の紹介総会第1回総会議事録MNJの歴史について