マルファン ネットワーク ジャパン
MNJがIFMSO(国際マルファン組織連盟)のサイトに紹介されました

IFMSO(国際マルファン組織連盟)の最新号に日本と南アフリカの取り組みが紹介されています。
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記事中のIFMSO E-Newsletterをクリックすると、MNJの歩みと活動の紹介記事が読めます。
内容は
  • MNJの誕生について、
  • 活動の4つの目的
  • 活動内容
  • 最新のニュース(新しいアドバイザーとの出会い)
などです。
昨年の総会の集合写真も個人が特定できない程度にぼかして、載っています。
以下は、掲載された記事の日本語訳です。

会長プリシラさんの最初の挨拶

今年度(注:9月から)二号めのIFMSOニュースレターにようこそ。もう何年も前からの知り合いの皆さん、まだお会いしたことのない方で今これを読んでいる皆さん、こんにちは。

私は今、ここニューヨークのサグ・ハーバーの自宅でパソコンに向かって、英語で原稿を書いていますが、IT技術の発達のおかげで、IFMSOのサイトがそれぞれの国のマルファンのサイトにリンクされて多くの人と交流ができて20カ国以上の言語で、情報を得ることができるのです。不思議ですばらしいことですね。

私はここに座り、春の訪れを待っていますが、窓からはすでに暖かな春の光が射し込み、それはあたかも、今、着実に進められている確かなマルファンの治療研究の未来を暗示しているように思えるのです。

今年は、マルファンの患者のためにアメリカで治験が始まった記念すべき年です。今までは、循環器の疾患に関する主な治療は、ベータブロッカーを使うことか、最終的には手術を受けるか、ということでした。

先日ロサルタンとアテノロールを使った臨床試験についてNMFの会合に出席し、その説明を受けました。この薬は循環器の症状の進行(血管の拡張)を抑えることができると期待されています。治験についてのこれからの情報についてはどうぞNMFのサイトをチェックしてください。

さて、IFMSOに戻ります。ここでは各国のマルファンに関係する人々に読んでもらえるように、各国の会とリンクしています。また、いろいろな情報を載せています。是非お読み下さい。

そして、もしまだ参加していらっしゃらないのでしたら、あなたの国もぜひ世界中のマルファンの人たちとリンクできるよう、協力していただきたいと思います。それが、世界のマルファンのための研究や教育につながります。会費は25ドルですが、これはインターネットの使用料をカバーするくらいです。あとはすべてボランティアの手によって運営されているのです。技術の部門はピーター・シカリエロがボランティアで担当しています。

どうして、大変な思いをしながらボランティアをするの?と自分にも問うてみました。答えは、マルファンに関係のある皆のためになるから。愛する家族にマルファンの者がいたら、そのために努力や献身を惜しみません。あなたもどうぞ協力をお願いします。そして、また、ご意見、情報、感想など自由にお寄せ下さい。

次号は7月です。良い季節になりました。それぞれの場でご活躍下さい。それまで、お元気で!

今回の特集

世界のマルファンの患者会、組織をご紹介するコーナーです。
これから、毎回、二つの異なった国をそれぞれ紹介します。今回紹介するのは、南アフリカマルファンオーガニゼーションと日本の患者会マルファンネットワークジャパンです。両国がそれぞれマルファンの患者のために情報を提供し、患者をサポートする活動を進めていることに敬意を表し、また、今回その活動を紹介する記事を快く送ってくださったことにマルファンに関わる者を代表して感謝します。多くの方に読んでいただきたいと思います。

マルファンネットワークジャパン(MNJ)
MNJは正式名称をマルファンネットワークジャパンといい、日本における唯一のマルファン症候群の当事者の会です。1996年古藤雅代さんというひとりの若い女性が、マルファンと診断されて、なす術がないといわれたのち、無事手術にたどり着くまでの苦労と経験を載せてホームページを発信したのがその始まりです。彼女はこう書いています。「1996年25歳のとき私は地元の医者にマルファン症候群と診断されましたが、それは両親にだけ知らされ、同時に、お嬢さんは30歳までは生きられないでしょうとも宣告されたのです。そして、手術を受けられる病院はどこにもないとも言われました。大阪の病院ですでに大動脈のその手術が行われていて、しかも成功率が95%であると言う情報にたどり着くまで、本当に絶望的な気持ちでした。もし、私が最初の診断の時に与えられた間違った情報を信じて、そのまま正しい情報を得ることをあきらめていたらどうだったでしょうか?私は正しい情報は命を救う、そして、その後の生活を変えることができると、その時強く実感しました。そして、自分のホームページを通じて、仲間と経験を共有し、正しい、最新の情報を発信しようと活動を始めたのです。」こうして、MNJは誕生したのです。

2000年にMNJは170名の会員と共に正式にスタートし、2007年の今年、350名以上の会員と、それに加えて、様々な側面で会の活動を助けてくださる35名のアドバイザーを擁する会となりました。
MNJでは4つの目標を定めています。すなわち、
1、マルファン症候群に関する正確でタイムリーな情報を収集し、提供します。
2、マルファン症候群を持つ人たちや家族、関係者が、互いに経験や知識を共有できるコミュニティを作ります。
3、社会に向けて、正確な情報に基づいたマルファン症候群についての理解を広めます。
4、各自がマルファン症候群とのそれぞれのつきあい方を見いだし、豊かな生活を送ることを支援します。

これらの目標を掲げて、MNJでは様々な活動を行っています。年次総会、各地方での親睦会(オフ会)、医療専門家による講演会、掲示板を通じての会員同士の交流、機関誌の発行、関連学会でのブース参加による周知活動、IFMSOなど海外情報の紹介等々です。

歩み
2002年―ボルチモアでのNMFの年次総会、及び国際マルファン組織連盟(IFMSO)会議に参加。各国からの多くの仲間に会い、また、よく組織されて、活発な患者会活動に感銘を受け、刺激を受けました。

2004年―この年はMNJにとって、忘れられない年となりました。2月に発起人の古藤さんが基部の解離のため、33歳という若さで急逝しました。MNJの活動の一環として、彼女の名前を冠した基金が作られました。

そして、独立行政法人福祉医療機構から助成金を受け、この事業を完成させなければなりませんでした。

MNJは二つの出版物を完成させました。ひとつは子どもたちに向けた絵本「マービン」原作はカナダでイギリスで作られた「A Very Special Mouse」で、これを日本語に直し、絵も新たに会員が描きました。

もうひとつは患者およびその家族、医療専門家、教育関係者、そして一般の人々を対象としたマルファン症候群に関するはじめての総合的な教科書とも言える「マルファン症候群ガイドブック」、15人の各領域の専門家が執筆して下さいました。
完成後、患者はもちろん、専門家からも多くの感想をいただきました。2007年に、改訂版を出版の予定です。

2005年―ベルギーのゲントで開催された第7回国際マルファンシンポジウムにMNJ会員が参加。MNJのアドバイザーの田村智英子先生がポスター発表でMNJと助成事業の紹介をして下さいました。また、IFMSOの会議に参加、各国の患者会の関係者に会い、また絵本の作成に関して紹介するチャンスを与えていただきました。

2006年―基金は独自の活動を開始するとしてMNJから独立。この年の後半、MNJはグリーフケアへの取り組みを開始し、小さいながら、確かな一歩を踏み出しました。

2007年―そして最近のニュースです。
2月に東京で心臓血管外科学会があり、MNJはマルファン症候群について、及び患者会MNJについての周知活動のためにブースを出しましたが、そこにある元心臓外科医が立ち寄ってくださり、昔、日本で開催された学会で、アメリカから来たマルファンの患者さんの話しを聞き、いかにに出席者が彼女の話に心を動かされたかという話をして下さいました。
「あれは1992年のことでした。患者さんは、スタンフォード大学病院の看護婦シェリル・ギャスナーといい、NMFの会員と言うことでした(編者注:シェリルはNMFの創設メンバーです)。」
そして、元外科医は、日本にもマルファンの患者会ができて、活動していることを知り、喜んでくださいました。学会後、関連するたくさんの資料をお送り下さり、またこれから英語の文献の日本語訳等を通して、MNJの活動を支えてくださることを約束して下さいました。NMFとのつながりでのこの出会いに感謝します。

MNJはこれからも、マルファン当事者のためにそして、マルファンに関する正しい理解を
社会に広めるために活動を続けて行きたいと思っています。



<南アフリカの内容>
「1996年にNMFの援助でスタート、問い合わせは多いがメンバーになる人は少ない(57名)。また、11の公用語があることも活動を難しくしている。今は英語とアフリカン(Afrikaans)のみが可能である。会合の出席人数も少ないときはゼロ、多くて20数名である。」など、課題をたくさん抱えています。


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