マルファン ネットワーク ジャパン
マルファン症候群を持つ妊娠中の女性に対して、特別な注意点はありますか?


子供を産もうと考えているマルファン症候群を持つ女性に対しては、いくつかの重要な考慮点があります。まず始めに、マルファン症候群を持つ人の子供は、 50% の確率でマルファン症候群になるということです。第二に妊娠による圧迫により、特に妊娠前に大動脈がかなり拡大している場合には、大動脈拡大が早められる可能性があります。正常な大動脈の大きさであるマルファン症候群の女性でも、大動脈が解離する危険性は低いですがゼロではありません。大動脈が少しでも拡大しているようなら、大動脈解離の危険性は妊娠中高くなり、また大動脈が拡大するにつれて上昇します。

女性はこれらの危険性についてのカウンセルを受けるべきでしょう。事前にベータ・ブロッカーを服用していた場合は、妊娠中も継続すべきです。妊娠中のベータ・ブロッカー服用と、先天的欠損症増加の関連性は今のところ報告されていません。エコー検査は、妊娠期間の 3ヶ月目、 6ヶ月目、 9ヶ月目に繰り返し受けるべきです。大動脈拡大の進行や大動脈での逆流が認められる場合は入院するか、または家庭で長期間横になって血圧を下げる必要があるかも知れません。

マルファン症候群を持つ女性の分娩方法は、患者個人ごとの状態によって決定されます。たいていの場合、比較的迅速な自然分娩は帝王切開よりもストレスが少ないものです。しかし分娩がかなり長引く場合は、帝王切開が推奨される場合もあります。


このコンテンツはNational Marfan Foundation 発行のブックレットを翻訳したものです。


マルファン症候群医療情報 > 心臓血管の注意点   > マルファン症候群を持つ妊娠中の女性に対して、特別な注意点はありますか?