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大動脈と心臓はどのように観察されますか?


マルファン症候群を持つ人の初期診断には、心臓弁と心臓に近い大動脈を含む心臓の全構造のエコーと心電図が含まれるべきでしょう。心臓より遠い部分の大動脈も診断する必要があります。特殊な機器を持っていて経験が豊富なセンターの中には、こういった他の心臓部分もエコーで診ることができるところもあります。

エコーは、熟練した技術者が、高度なエコー機器を使用して作成する必要があります。大動脈基部と心臓に近い大動脈を計測するには、標準化された推奨方法があります。

エコーで見ることのできない大動脈の部分については、 MRI ( 磁気共鳴映像法 ) または CT ( コンピューター断層撮影法 ) が使用できます。これらには大動脈の全部分が見られる利点があります。しかし MRI の場合はうるさくて、いくぶん閉所恐怖症になりそうな機器の中に入る必要があり、 CT スキャンではいくらかの放射物とX線による被爆があり、人によってはアレルギーを起こすことがあります。

大動脈解離の可能性が認められる場合は、 TEE ( 経食道心エコー ) と呼ばれる特殊な超音波心臓検査か MRI 、または CT により、解離の範囲と血液が大動脈の血管層のどこから入り、どこへ流れ出ているかといった詳細を検査することができます。 TEE 技術は人工の僧帽弁が設置された人にも有用です。こういった患者では、胸の表面から弁の後ろの箇所を見ることは難しいため、心臓の後ろからの詳細図を見ることが重要となります。

マルファン症候群を持つ人は、大動脈の大きさが完全に安定するまでは 6ヶ月毎に、それ以降は毎年、エコー検査を受けることをお勧めします。


このコンテンツはNational Marfan Foundation 発行のブックレットを翻訳したものです。


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