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いつ背中の装具が必要になりますか?


側わん症は、背中の痛み、肺機能の減退、姿勢および形態異常など、多くの問題を引き起こすことがあり、時として治療が推奨されます。側わん症を持つ小児は、年に 1, 2 回は背中の検査を受ける必要があります。側わん症の成人は、1 年から 3 年に 1 度の割合で検査するべきでしょう。わん曲が 20 度以上あり悪化が見られる場合、成長過程の小児や青年では運動のみでは進行を止められないため、通常、何らかの治療が必要となります。 20 度から 40 度のわん曲がある側わん症の小児には、背中の装具がしばしば推奨されます。装具とは、体に合わせて誂えたパッドのついたプラスチックの「 上着 」で、肩からウエストまでの胴体を被い、一時的に脊椎をまっすぐにするものです。要するに、悪化のプロセスをくい止めるためのものですが、装具によってわん曲が永久的に真っ直ぐになることはありません。装具を外すと脊椎は徐々に元のわん曲の大きさに戻ります。

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装具の目的は、単純に、わん曲が成長によって悪化することを防ぐことにあります。普通、装具は1日に 23 時間装着します。外す時間は、風呂( シャワー )と着替えの時になります。また患者は、必要に応じて行う水泳や管理下での運動の際に、装具を外すこともあります。装具は発育が止まるまで装着します。女子の場合は通常 14 または 15 歳、男子は 16 または 17 歳です。

装具は、多くの場合は有効ですが、マルファン症候群の人のすべてに有効ではありません。わん曲が大きすぎる場合や、進行が早い場合は、装具をつけていても手術の必要性を免れません。


このコンテンツはNational Marfan Foundation 発行のブックレットを翻訳したものです。


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