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脊柱側わん症とは何で、どのように診断されますか?


脊柱側わん症とは脊椎のわん曲で、一般的に椎骨がS字状または螺旋状にねじれるものです。これは脊椎のじん帯が異常に緩いことと、マルファン症候群を持つ小児の発育の早さによって生じます。側わん症は脊椎のどの部分にも発生し、程度もさまざまです。マルファン症候群の人の約 50 パーセントが側わん症になりますが、治療が必要となるのは、その側わん症になる人の約 3 分の 1 のみです。

通常、すべての小児が小学校 5 年生の時点で側わん症の検査を受けます。しかしマルファン症候群の子供たちは、 5 年生になる前に小児科医による検査を受け、また毎年の身体検査の際にも検査を受けるべきです。検査は、小児を前屈みにさせて医師または看護婦が背中を診察して行います( 画像1)。中学校に入る時点で側わんの兆しがない場合は、おそらく側わん症が、この先、かなりの程度まで発達するということはないでしょう。成人してから側わん症が始まるのは希です。

側わん症の程度が大きくなることを、「進行」という用語で表します。わん曲が進行する( 悪化する)可能性は、成長が完了するまでの期間の長さと、現在のわん曲の大きさによって左右されます。わん曲は( レントゲンで見る )椎骨間の角度により、数値または角度によって計測されます( 画像2)。青年期の時点でわん曲が小さい場合( 20 度以下 )は、悪化する確率は低いものです。小児または青年期でわん曲が中程度の場合 ( 20 度から 40 度 )、悪化の確率はより大きくなります。わん曲が大きい場合 ( 40 度以上 )は、小児、大人にかかわらず、ほとんど確実に進行します。これは脊椎のバランスが既に悪すぎるため、重力によって継続的に悪化していくためです。


このコンテンツはNational Marfan Foundation 発行のブックレットを翻訳したものです。


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