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マルファン症候群による基本的な整形外科学上の問題とは何ですか?


整形外科学上の問題点には、骨格とじん帯、およびこれらを動かす筋肉の問題が含まれます。マルファン症候群を持つ人特有の骨格上の特徴とは、骨の発育に差違が見られることと、じん帯による保護が弱いことにあります。この疾患を持つ人の間では、こういった異常が発症する度合いに大きな差があります。マルファン症候群を持つ人のうち、整形外科医が必要となるほど症状が重くなるのは、3 分の1 程度の人のみです。

マルファン症候群では骨によって発育に差があるため、この疾患を持つ人は細長い腕や脚部、手指や足部を持つことになります。また胸の骨 ( 胸骨 ) が、内側または外側に向けて発育することもあります。マルファン患者の小児の少数に、成長につれて股関節のソケットが「 押し込まれ 」たように深くなる人があります。鉤爪足や槌状足指症も、マルファン症候群を持つ人の特徴のひとつです。

じん帯の弛緩は、主に、常に圧力がかかっている箇所に発生します。一番多く見られるのが足部で、足弓が伸びて平らになり、扁平足へと発達します。また脊椎に起きることもあり、側方へのわん曲( 脊柱側わん症 )または前方へのわん曲( 脊柱後わん症 )が起きる場合があります。しかし、肩、膝、腰などの大きな関節の脱臼は、一般の人に比べてマルファン症候群の人の方が多いということはありません。

マルファン症候群の人のうちには、背中、腕、脚部、または足部に痛みがある人がいます。これらの痛みは、大動脈を圧迫しない定常的な運動( 週に4、5回 )により健康状態を保つことや、氷で冷やしたり、あるいは暖めたりすることや、ストレッチングを行ったり、医師が推薦する弱い沈痛剤( Tylenol など )を服用することで、一部和らげることが可能です。( 訳注:Tylenolは米国 McNeil 社製の非ピリン系沈痛解熱剤 )


このコンテンツはNational Marfan Foundation 発行のブックレットを翻訳したものです。


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