マルファン ネットワーク ジャパン
マルファン症候群の人が、より安全に運動するためのガイドラインと調整案は?


マルファン症候群の人の肉体的運動の調整案は以下の通りです。
  • 競うことのないスポーツや isokinetic 運動(筋肉を収縮して行う運動)を、 負担のない程度のエアロビック運動ペースで行うようにしましょう。特に適して いるのは、疲れたなと感じたらいつでも気兼ねなく休むことの出来るスポーツです。 また、急に停止したり、すばやく方向転換したり、他の選手や装具や地面へ接触したり といったことが出来るだけ少ないスポーツが適しています。早足で歩いたり、レジャー として自転車に乗ったり、ゆっくりとジョギングしたり、バスケットシュートをしたり、 ゆっくりとテニスをしたり1ー3ポンドのダンベル運動などが有益でしょう。
  • 週に3〜4回、20分から30分の運動が適しています。もし、時間的に負担が あるなら、10分間のセッションを3セット行えば、30分のセッションとほぼ同程度の 効果が期待できます。
  • エアロビックレベルの運動量を保って下さい。(おおよそ、自己の能力の50%程度) もし、ベータブロッカーやベラパミル(降圧剤)を服用しているなら、一分間に100以下 の脈拍を保つようにしてください。もし、ベータブロッカーを服用していなければ、 110以下の脈拍を保って下さい。
    *動脈で脈を測るのには、手首よりも首で測った方が簡単です。
  • 時間をかけて賢明にあなたの行動を選択してください。日常の活動では援助を頼み、 旅行するときには荷物を背負うよりも小荷物を持ち運ぶように、また持ち上げるときは 背中を使うのではなく脚を使い、持ち上げるあいだは息をはきだすように、そして何を するにも負担を避けるようにしてください。
  • ウェイトリフティングや急な坂を上ったり懸垂運動をしたりといった、 isometric 運動 (筋肉を動かさず収縮させる運動)を含む運動を避けること。ステイショナリーサイクルや、 切り替え付きの自転車に乗るときは、低レベルにして乗ること。低い抵抗や重量で多く反復 することは、より大きな重量で少数反復するよりも、良いことです。
  • 限界に挑戦しないこと。これは、特に子供が体力テストに参加するときや、過去に競技 スポーツの選手だった人にとって、難しいことです。マルファン症候群である子供には、代わり に必ずその子供に合った体育の授業を受けさせること。
  • スキューバダイビングや気圧調整のしていない航空機に乗るなど、急激に大気圧を変化 させる危険性のある活動を避けること。マルファン症候群の人は自然気胸を起こしやすいのです。
  • 運動は、肉体的にも精神的にもマルファン症候群の人の健康に良いものです。マルファン 症候群を持つ人の平均寿命は現在70才近くになっており(アメリカのデータ)、日常的な 穏やかな運動は、総体的な健康の手段として重要になってきています。殆どのマルファン症候群の 人たちは、整形外科、循環器、眼科の要求を満たす、穏やかで衝撃の低い運動を日常的に行 うべきです。あなたに負担になる可能性のある運動を始める前に、必ず主治医に相談して下さい。


このコンテンツはNational Marfan Foundation 発行のブックレットを翻訳したものです。


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