マルファン ネットワーク ジャパン
薬についての Q&A
Q-05
3年前、スキーで骨折をしました。診断は骨粗鬆症であることがわかりました。骨密度が正常値よりかなり低かったのです。60、70歳のおじいちゃんクラスでした。マルファンと骨密度に因果関係は私の 調べたところでは、あるとも、ないとも言われてます。飲んでるワーファリンが原因ではと、今は考えてます。私は、おそらくうまく行けば、あと20.30年はワーファリンを飲むことになるわけですが・・・・・

A-05
ムムム、恐れていた事実が判明しましたネ。私は以前からこの点を心配していました。長期のワーファリン服用データが十分でないので、現状では医学常識とはなっていません。文献的には「 起きる 」と「傾向はあるが有為差がない 」と両方あります。ワーファリンをやめると死亡率が高まるので致し方ないのですが、今後注意すべき点と考えていました。
骨の維持には骨生成と破壊のバランスが必要です。破壊の機能はあまり知られていないと思うのですが、生体には破骨細胞と言う骨を食べる細胞があって古い骨を処分しています。骨を作るにはカルシウムとビタミン D が必要で、ビタミン D は日光によって活性化される必要があります。ここまでは比較的知られていると思うのですが、最近ビタミン K も必要な事が判りました。一昨年ビタミン K 製剤の「 グラケー 」と言う薬が骨粗鬆症の薬として発売になったくらいです。ワー ファリンはビタミン K の代謝を阻害することにより抗凝血作用を発現する薬ですので、骨の方にも影響が出るのではないかと心配していたのです。骨粗鬆症の薬としては破骨細胞を阻害する系統の薬も開発されていますので、こちらなら有効ではないかと考えていますが、現状ではまだ研究されていないと思います。日本においては「 ワーファリンが骨粗鬆症を引き起こす 」と言うこと自体まだ知られていません。
ワーファリンを飲んでいる方は注意して下さい。
カルシウムを多くとり、日光浴を十分して骨を丈夫にしましょう。
浜松医大附属病院、薬剤師・柴田悠喜

戻る

関連情報

医療アドバイザーQ&A薬についてのQ&A

MNJトップページマルファン症候群について会の紹介会員ページ