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状況が変化することで気持ちも変化する

マルファン症候群においては慢性的な症状が多く、疾患とのつきあいは一生続きます。その中でしばしば、症状が進行したり、急に症状の進行に気づいたり、検査や治療の方法が変化したりすることがあります。大動脈基部の拡張や緑内障の発症などの新しい症状や手術の必要性などを告げられることが大きなショックになる場合もあるでしょう。予防的手術を恐怖と感じていた人が同じ疾患の友人の良好な経過を目の当たりにして気持ちが変わる場合もあるかもしれません。最初の診断がついた後の心理的適応過程の途中で、新たな事柄が問題となってきた場合には、複数の事項に対する心理的適応のプロセスが何重にも重なって複雑化します。
患者・家族をとりまく家族や周囲、社会の状況も変化します。たとえば、診断時に小学生であった患者が上の学校に進み社会に出るまでの成長発達過程において、患者自身の状況の受け止め方も親の気持ちも変化します。思春期になって自分の体型について気に病むようになる人もいるでしょうし、部活や体育の授業参加が制限される場合の気持ちや学校生活における友人関係も影響します。進学や就職、恋愛や結婚、出産、子育てといった人生の様々なイベントも、疾患や症状、治療に関する気持ちや心配事と複雑に絡み合ってきます。こうした場面での様々な不安や悩みは簡単に解消できるものばかりではありません。
状況に応じては、MNJのようなサポートグループや後に述べるような心理社会的支援の専門家を利用するなど、適切な対処を考慮することも有用です。


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