mnj


気持ちの整理はどのように進むか

自分の気持ちの整理がどのように進んでいるか、時々過去をふりかえってみることは有意義です。気持ちがかなりきちんと整理できるまでには何ヶ月も何年もかかるにしても、その間、気持ちは少しずつ変化しますので、過去と比較すると自分が前に進んでいることに気がつきます。通常、診断がついて3ヶ月くらいたつと、同じことを思い浮かべても、診断直後のようにドキドキしたり動揺したり怒りや涙がこみあげてきたりということがあまり激しく起こらなくなってきます。
(もちろん、何年たっても何かの折に涙が出たりすることも自然なことですが。)
J. William Worden は、我々人間が何か大きな困難に直面したときの心理的適応過程においては、
@現実を直視し状況を受け止める、
A心の痛みをしっかり感じていく、
B 以前とは変わってしまった状況や環境に適応していく、
C気持ちや価値観を再構築し前向きになって進んでいく、

という4つの課題を行きつ戻りつしながらこなしていくものだと述べています
(GriefCounseling and Grief Therapy, 3rd Ed. Worden JW, 2002, Springer,NY, USA)。
これにあてはめて考えてみると、
@マルファン症候群でいくつかの医学的リスクについて考えなくてはいけないのだという事実を否定せずに受け止め、
A不安や怒りや混乱という心の痛みを感じながら、
Bマルファン症候群といわれる前の状況とは違ってしまった今の状況において、必要な検査や治療を受けていく生活に適応し、
Cマルファン症候群をもっている自分というアイデンティティを再構築したり疾患をめぐって経験した事柄によって人間的に成長したりして前向きになっていく、

ということになるでしょう。


状況が変化することで気持ちも変化する →

 

Copyright 2005 MNJ