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診断がついた直後の気持ちに向き合う

診断がついた直後、人々は、ショック、不安、混乱、心配、驚き、怒り、恐怖、その他いろいろな気持ちを持つものです。人によっては、物事がはっきりして安堵したり、思ったほど稀有な疾患や致死的な疾患ではないと知ってほっとしたりするかもしれません。
人々がこのように様々な気持ちを持つことは自然なことで、無理に抑えたり隠したりする必要はありません。むしろ、つらい気持ちであってもそこから逃げないでしっかり向き合うことが大事です。このときにきちんと気持ちと向き合っておくことが、その後より健康的な心理状態になっていくために役立ちます。
人間は、自ら気持ちを整理して前に進んでいくようになるための能力を持っていますが、そうなるには時間がかかります。心理学の本には、ひとつのことに対する気持ちの整理がつくために、短くても6ヶ月、長ければ2〜3年以上も必要であると書かれています。また、気持ちからずっと逃げていると、そうした心理的適応プロセスを歩むことができませんので、つらくても心の痛みと向き合うことが大事であると心理学の専門家の多くが述べています。こうしたことは、診断がついたのが自分自身であっても自分の家族であっても同じです。それぞれの立場で感じる気持ちを見つめてみましょう。そのときの気持ちを簡単に書きとめておくことも有用です。後で振り返って読んでみると、自分が気持ちの上で少しずつ前に進んでいることを確認できます。
気持ちから逃げないで向き合うときには、無理に前向きになる必要はありません。泣いても怒ってもよいのです。自分の気持ちは自然なことだと率直にそのまま受け止めることが大事です。家族や友人と話をすることも有用です。ただし、周囲の人々は必ずしも心理学の専門家ではありませんので、「前向きにがんばろう」と診断がついた直後から強く励ましてくれる場合があります。それはそれでありがたい応援になることもありますが、時期的にそうすぐには前向きになれない人もいるでしょう。気持ちの整理に時間がかかるのは人間として自然なことですので、まわりの人の励ましを聞きつつも、自分自身がしっかり努力して気持ちと向き合うことが大事です。


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