マルファン症候群とは
マルファン症候群は、骨格、肺、眼、心臓や血管といった多くの器官に症状がでる結合組織の疾患です。また、症状の度合いはそれぞれの患者によって異なります。発症率は、人口の約5,000人に1人位ですが、75%位が遺伝であり、約25%は突然変異の結果新たに発症しています。この症状は人種や民族にかかわらず男性にも女性にも等しく現れるものとして1896年、Marfan博士により、初めて発表されました。主な身体症状としては
● 眼
水晶体亜脱臼または偏位・近視・屈折値が安定しない・網膜剥離・斜視・緑内障
● 循環器
上行(時に下行)大動脈の拡張・大動脈弁と僧帽弁の閉鎖不全・大動脈瘤と大動脈の解離
● 骨格
背が高くやせた体格・長い手足と指とつま先・曲がった背骨・異常な形状の胸(鳩胸または漏斗胸)などがあげられます。
マルファン症候群は、ヒトの第15番染色体長腕15q上のフィブリリン遺伝子と連関しています(この遺伝子に異常があると発症します)。この画期的発見(1991年、Kainulainenによる)以来、世界中で、さまざまな勇気づけられる研究が進んでいます。
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