渡辺裕司(わたなべひろし)先生のご略歴


学歴 昭和 52年4月 北海道大学医学部入学
58年3月 同 卒業
59年4月 浜松医大大学院入学
63年3月 同 修了
職歴 昭和58年4月 浜松医大第3内科入局
平成 1年4月 デュッセルドルフ大学心臓生理学研究所留学
〜平成 3年3月 (ドイツ学術交流会奨学研究員)
6年8月 浜松医大第3内科助手
10年12月 浜松医大臨床薬理学講座助教授
賞 第11回日本循環器学会Young Investigator`s Award最優秀賞(平成6年)
第2回日本心脈管作動物質学会賞(平成10年)
第3回日本心脈管作動物質学会賞(平成11年)
第4回浜松医科大学同窓会学術奨励賞(平成11年)
研究領域 血管病態学(血管系の異常、特に血管内皮細胞の障害に起因する心血管病の病因探索と治療法の検討)

 

マルファン症候群とは

マルファン症候群は、骨格、肺、眼、心臓や血管といった多くの器官に症状がでる結合組織の疾患です。また、症状の度合いはそれぞれの患者によって異なります。発症率は、人口の約5,000人に1人位ですが、75%位が遺伝であり、約25%は突然変異の結果新たに発症しています。この症状は人種や民族にかかわらず男性にも女性にも等しく現れるものとして1896年、Marfan博士により、初めて発表されました。主な身体症状としては
● 眼
 水晶体亜脱臼または偏位・近視・屈折値が安定しない・網膜剥離・斜視・緑内障
● 循環器
 上行(時に下行)大動脈の拡張・大動脈弁と僧帽弁の閉鎖不全・大動脈瘤と大動脈の解離
● 骨格
 背が高くやせた体格・長い手足と指とつま先・曲がった背骨・異常な形状の胸(鳩胸または漏斗胸)などがあげられます。
マルファン症候群は、ヒトの第15番染色体長腕15q上のフィブリリン遺伝子と連関しています(この遺伝子に異常があると発症します)。この画期的発見(1991年、Kainulainenによる)以来、世界中で、さまざまな勇気づけられる研究が進んでいます。