このたびは弊社ホームページにアクセスいただき、ありがとうございました。ご質問の件、今日の狂牛病騒動では、皆様には大変ご心配されている事と存じます。
この件に関しまして、弊社の輸入元のメーカーより安全性についてのレターが届き、各病院及びドクターへ営業担当者が近日中に伺うことになっております。本来でしたら、主治医より患者様に説明いただく方が良いかと存じますが、ご心配をいち早く解消していただくことが現在では重要だと思いますので、病院・ドクター宛てにお渡しする文章を添付いたします。
ご理解いただきにくいことや、更に詳細な部分につきましては、主治医の先生にご相談いただくようお願い申し上げます。
担当に確認したところ、東北大学医学部附属病院のほうへは、12日の金曜日に説明にうかがう予定になっているようです。
以上、回答させていただきました。今後ともご自愛ください。
お客様各位
スルザーバスクテック社人工血管に使用されている 「ウシゼラチン」の安全性について
拝啓、皆様方におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。平素より弊社製品のご愛顧を賜り厚くお礼申し上げます。
さて、今般の日本国内での狂牛病の報告を受け、当社取扱い製品であるスルザーバスクテック社人工血管に使用されているウシゼラチンの安全性についてご報告いたします。
1 ウシ材料の原産地について
スルザーバスクテック人工血管に使用されているゼラチンは全て米国産のウシ材料から抽出されています。ウシは米国内で誕生、飼育、屠殺されました。米国でのウシ伝達性海綿状脳症(BSE)の報告はありません。
2 ゼラチンの処理について
ゼラチンを製造するために、ウシ材料は数多くの処理を経なくてはなりません。これらの処理はFigure1の図表にて概略を示します。
塩酸(ph<1.5)および長期間にわたる水酸化カルシウムを用いたアルカリ(ph>12 >45日)化学処理は、ゼラチン製造過程の一環であることに留意してください。
ゼラチンの製造過程でのウシ伝達性海綿状脳症(BSE)の感染性の不活性化は、ヨーロッパのゼラチン製造業者により、科学的に研究されています。彼らの最新所見の要約は、参考文献1として記載されているwebアドレスで示されています。実験研究の結果は、ゼラチンの製造処理が伝染性海綿状脳障害あるいはウシ伝達性海綿状脳症(TSE/BSE)の感染性を10億分の1の範囲で除去、もしくは消滅させる能力があることを示しています。
結論
1 スルザーバスクテックにより使用されたゼラチンは米国産のウシ材料を使用しています。多くのヨーロッパ諸国とは異なり、米国でのウシ伝達性海綿状脳症(BSE)の報告はありません。
2 ゼラチンの製造に必要とされる処理は伝染性海綿状脳障害あるいはウシ伝達性海綿状脳症(TSE/BSE)感染性を10億分の1まで減少させます。
・ TSE=伝染性海綿状脳障害
Reference
1, Gelatin Manufacturers of Europe, http://www.gelatine.org/641.htm
Figure 1
スルザーバスクテックのゼラチン製造過程
ウシゼラチン
↓
水と蒸気による脱脂
↓
酸性薬剤による処理 HCL, pH<1.5, ≧4日
↓
アルカリ性薬剤による処理 Ca (OH)2, pH > 12, ≧45日
↓
洗浄と抽出 53−95℃
↓
ろ過
↓
イオン交換
↓
滅菌
ご質問、ご不明な点がございましたら、弊社営業担当まで何なりとお問い合わせくださいますよう重ねて御願い申し上げます。
平成13年10月9日
日本ライフライン株式会社
代表取締役社長 増本 武司
Dr R Maini
President
Sulzer Vascutek Ltd.